防音の原則と防音材

 防音職人への問い合わせで最近増えているのが、防音材の使い方、DIYです。相談者の多くが、防音材の通販サイトは多くて、製品も種類が多く判断ができないと言います。

 たとえば、遮音材のつなぎ目が弱点だから遮音テープを勧める業者に防音室の工事について相談したら、遮音パネルの施工を勧められたそうです。設計図を見たら、パネルと石膏ボードを重ねて施工するもので、つなぎ目の対策がなかったそうです。

 防音材の通販を主力とする業者は、すでに自己矛盾するような提案を平気でします。それはメーカーの製品を単に販売することが中心なので、防音の原則も材料の使い方・工法もあまり理解しないで売りつけます。

 防音職人では、防音設計・施工が主な業務ですので、防音材は実際に施工する際に注意すべき内容やリスクについて、ご質問があれば十分に説明しますし、安易に材料をお分けすることはありません。

 大半の通販業者が、実際の施工現場の音測定や防音効果の検証をしているわけでなく、メーカーの自己申告データ(しかも実験室のデータ)を鵜呑みにして、掲載しているだけです。ですから、実際の現場での効果と乖離することが多いのです。

 中には、テレビなどで採り上げられた画期的な防音材と、ウェブサイトで誇大広告している業者もいます。マスコミはデータの裏付けがなく、話題性だけでニュースにします。軽くて遮音効果抜群の製品と謳う業者がいましたが、理論的にそのようなことはあり得ません。軽くて吸音効果が高いという製品はもちろんあります。

 言葉の使い方からして、専門家ではないことがわかります。実例や実績のないものを安易に購入したり、施工を依頼しないように注意したいものです。

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