ピアノなど楽器の防音対策は、簡易防音・DIYレベルでも、かなり遮音効果を高めることが可能です。
たとえば、調律師のかたなどが比較的よくやる方法ですが、天井にピクチャーレールをつけて布をぶら下げ、カーテンレールにダブルの厚地のカーテンをぶら下げたり、カーペット・吸音性のある家具などを配して、室内の吸音率を高めて、音漏れや過度の反響を減らすことです。
*ピアノのように床に制振材とカーペットを敷くことによって、音漏れを軽減できる楽器があります。
このように、遮音材ばかりに依存することなく、色々な素材を組み合わせることにより、防音効果を向上させることが、防音工事に比べて廉価で実現できるのです。
楽器の周波数特性と伝播経路
楽器や人の声の防音対策に重要なことは、周波数特性を考慮することです。周波数の高い音は遮音しやすい一方で、隙間対策を疎かにすると防音効果が大幅に低下します。
ピアノは低周波から4200Hz程度の高い周波数まで幅広い音域をもっています。重くて低い音は壁や床の面密度と制振性を重視して対応します。
高い周波数の音は表層材や内部の吸音材の性能によって防音効果を高めることができます。
ヴァイオリンやサックス、金管楽器のように空気伝播音が主なものや、チェロ・マリンバ、ドラムのように床を介して伝わる固体伝播音が非常に強い楽器があります。
楽器の特性に応じた対策が重要です。
楽器の簡易防音
通常、防音室の防音工事は、ある程度以上の厚さをもった構造体で構築します。
大半の防音専門会社が天井や防音壁を20センチ程度の分厚い仕様で施工しますが、これでは狭い防音室がさらに狭くなり、ピアノ室の場合は楽器そのものが置けなくなります。
そこで、必要な遮音性能を確保できる薄型の簡易防音工事を、防音職人は10年以上の実践経験をもとに、約5年前に確立しました。(2019年2月現在)
主に木造ピアノ室やヴァイオリン防音室に適用しています。