GL壁防音(マンション騒音)

 今年、あるマンションの戸境壁の音測定と防音設計を行いました。

 その現場では、GL工法を使用している壁と、間仕切壁の付近など複数の位置で、暗騒音と上階から騒音が発生している時点の比較を分析しましたが、通常、GLは裸の躯体素面より遮音性能が2ランク(約10dB)低下すると言われています。

 ところが、測定結果では、GL壁直近では、31.5Hz~2000Hzにおいて、15~25dB程度、騒音が全ての周波数帯において増加していました。これは相当な遮音低下です。このマンションでは、GL壁から子供や女性の声、足音など振動音が、はっきり聴こえていました。

 GL工法の戸境壁、柱・梁、外壁に囲まれた空間では、普通の人は生活騒音まで気になって生活できないという状況になります。

 この問題を解決するには、GL団子を撤去して、躯体と絶縁した内装壁を構築するしか有効な方法はありません。測定結果によって、簡易的な防音でも可能な場合がありますが、通常は防音工事が必要なケースが多いのです。

 設計マニュアルなどに記載されている内容と、実際の現場の測定分析結果は、かなり乖離しています。実績の無い業者や設計者には理解できないことなのです。防音職人では、実際の現場の分析や工事を沢山手がけています。

 机上の理論だけでなく、防音工事現場や調査を設計などにフィードバックさせています。

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