天井防音の構造と費用対効果

 防音職人が手がけてきたマンションなどの天井防音は非常に特殊な構造をしています。

 費用対効果という観点で見ると、壁の対策に比べて、少し割高であると思いますが、他の業者が実施している厳重な床の防音工事や防音室に比べて、単価は廉価です。

 それは、自営業の専門職のチームが直接施工しているからです。資材のうち防音材が約6~7割を占め、相当な経費がかかりますが、中間経費などを切り詰めて努力しているのです。

 また、吊り構造についても、振動対策を過剰に行うことによる構造的な強度など弱点を回避し、長期の荷重に長年耐えられる構造を重視しています。

 東日本大震災の際に公共施設などの吊り天井の崩落被害が、東北や関東地方を中心に約2000施設にも及んだことが、最近、国土交通省の調査で分かりました。激しい揺れで接合金具が外れたことなどが主な原因のようであり、軽量鉄骨の吊り天井の弱点が露呈したようです。

 防音職人では、被災地のマンションの防音工事(被災前)を経験しており、担当した現場において、吊り構造の二重天井の工事を実施しました。
 長期の荷重に耐えうる吊り金物と木材で構築し、被災時もびくともせず、依頼者のご報告では、天井のクロス(壁紙)にしわすら発生していないということです。

 これは防音効果と耐久性・安全性を重視して、どんな現場でも確実な工法・構造で施工していることの証です。構造・機能及び施工の手間に見合う費用がかかることは、やむを得ないと私は思います。もちろん、騒音のレベルによっては簡易防音でも効果が見込める場合がありますが、音測定調査などで、その可否を判断することになります。
*参照ページ:マンション防音とリスク
*参考トピック:天井騒音と防音
*研究課題と効果:防音効果

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