マンションの天井防音(上階の二重天井の騒音)

 マンションの天井が二重なのに、なぜ防音効果が余りないのかという質問を受けることが多いです。

 それは、騒音の周波数や種類によって、遮音効果は異なり、防音仕様も騒音の周波数を考慮して決める必要があるのです。全ての周波数に有効な天井仕様はなく、通常の分譲マンションでは、まず存在しないという前提で入居することになります。

 近年のマンションのトラブルにおいて、気になる騒音は、上階(床)から発生する音には、軽量衝撃音(軽量な落下物の音、小走りする音、掃除機の音など)、重量衝撃音(走る音、飛び跳ねる音、重い落下物の音、重い家具を引きずる音、楽器・オーディオの重低音など)があります。

 これらは、周波数(Hz)や音の大きさ(dB)が異なりますが、発生源においては、固体伝播音であるものが、階下のスラブ・天井などに伝播する際には、空気伝播音と固体伝播音の2つに分かれ、躯体・下地・ボードを介して放射される固体音、天井裏など空気層を振動させてボードなどを透過してくる空気音が同時に発生します。

 この要因による二重天井の遮音低下が、最近のマンションの大きな弱点と言えると思います。二重天井は軽量音には効果があり、重量音には逆効果になるという相反する遮音性能を持っていることが、対策を難しくしています。

 重量音の大半は可聴域の低周波(100Hz以下)および250Hz以下の音が主成分であり、軽量音に比べて特殊な防音仕様が必要です。

 防音職人では平成8年頃から、研究と防音工事・設計などに取り組み、成果をあげています。

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