住まいの防音は木の力を信じることから始まります。木材と防音設計のコラボレーションが成功への鍵です。
住宅の工事では、防音材の選定・使い方が重要です。鉛シート・ボードや発泡材による失敗事例が少なくありません。
木造住宅でもマンションでも、防音の最も重要なキーワードは「木材」です。住宅の防音は木が創ると言っても過言ではないでしょう。
木材は優れた音響素材です。特性を最大限に活かす工夫が防音設計の役割です。遮音・制振・吸音材と相性の良い、相乗効果を出せるような 構造を構築することは、リフォームでも新築でも重要なことです。
空間の下地に活用したり、表層材としてインテリア・音響効果を目的として活用するなど、住宅の防音には多用されます。
*加工しやすく、比較的軽量ながら柔軟性も耐久性も兼ね備えています。
*補強すれば長い年月に耐えうる構造になります。
柱や梁など主要な軸組みは腐らない限り、そのまま再利用したり、補強して活用できるため、リフォームなどには好都合です。 ピアノなど楽器演奏室、アコースティックな音楽を楽しむには欠かせない素材です。
住宅は他の施設に比べて、構造的にも空間的にも制約が多いため、力任せの遮音材にシフトした対策には無理があり向きません。
また、健康や建物の耐久性等メンテナンスも考慮した素材の使用・工法に十分留意する必要があります。
このため、住宅の防音工事・設計に実績のない不慣れな業者には、とても難しい案件に感じられますが、木材の特性や防音の基本を理解していれば、 必ず効果を発揮できます。
木材の特性を重視した構造、相性の良い素材選択などを定める防音設計が重要な鍵を握っており、木で言えば根幹の部分になります。
住宅では、特に木造家屋は、過大な重量を加えると緩み・歪みなどが生じますので、防音材の選定や構成は非常に重要です。
*参照ページ:防音材の基礎知識
木造住宅やマンションでは、限られた居住空間において、出来る限りコンパクトで薄い制振性の高い構造が望まれます。
このためには、「遮音」「制振(防振)」「吸音」の3つの機能をバランスよく複合化すること、共振しにくい安定した下地構造を
構築することが必要不可欠です。
特に木造住宅では、表層材の隙間を許容しながらも、弱点を補強して防音の相乗効果を高める素材の併用が必要です。
間違っても有害な鉛などの遮音材や、粉塵の発生する吸音素材を施工してはいけません。
木材の特性である、適度な吸音・遮音性や柔軟性を活かした空間構造、相乗効果を高める素材などを複合化することが理想です。
また、ピアノ等楽器の防音室などを検討する場合、配置計画によって過剰な遮音材使用を軽減したり、緩衝空間などを設けることにより音の 減衰効果を活用することは、住宅では極めて有効です。