住宅の防音体験・情報発信

マンション防音体験/防音対策のポイント/防音材の使い方・関連情報


■ INDEX ■

 住宅防音の体験
 防音の問題意識
 防音対策体験談
 防音対策留意点
 防音材料の特性
 GL工法の問題
 二重床・ボイド問題
 天井防音の留意点
 透過損失と防音
 天井防音対策事例

 当ページは住宅防音体験から見た防音対策と留意点、関連情報などを紹介する専門サイトです。
更新メモ




■ 住宅防音体験を踏まえた情報発信 ■

防音構造上の問題は見えない欠陥

 見えない欠陥と言われる住宅の「防音構造上の欠陥」「生活騒音の問題」は、アパート・マンション・コーポラティヴハウス等の集合住宅では、 非常に深刻な状態を招くことが少なくありません。騒音による過度のストレスで精神的な健康被害などを被ることが多いのです。
 私もマンションの生活騒音被害者であり、私の自宅や知人のマンションを自力で防音リフォームした経験から、防音対策の難しさや、いい加減な 業者のリフォームによる二次被害の問題などを痛感してきました。そこで少しでも、ユーザーの防音対策の参考になる情報を発信しようと考えました。
 防音工事の失敗や二次被害などを回避するためにも、当サイトのコンテンツを参考にしていただければ幸いです。
トップページ
相談ページ

生活騒音は集合住宅共通の問題
 生活騒音の問題は、現在の大半の集合住宅が同じ工法・仕様で建設を続ける限り、この傾向は変わらないと考えられます。さらに、新しい工法や 空間構成に伴う防音性能上の問題も生じています。
 マンション特有の生活音の問題は、建設工法・設計仕様および施工管理などに左右され、同じ仕様でも施工の精度・配慮によっても差が出ます。また、 ハード面の対策には物理的な限界やコスト面の問題もあり、管理やルールづくり等ソフト面の取り組みで補完する必要もあるのです。

 それゆえ、今後のハード&ソフト両面の対策情報の周知、業界における対策・改善および専門家による 防音対策の研究等の積極的な取り組みが望まれます。

古くて新しい問題・近年の工法による問題
 古くて新しい問題に、壁面及び柱・梁面に使用されるGL工法・胴縁等ボンド付け工法があります。これらはコンクリート素面に比べて大幅な 遮音性能の低下が起こることで有名ですが、依然として従来型のGL工法等が使用され騒音問題を起こしています。

 一方で、近年の工法特有の騒音問題も生じています。
 近年の床構造の工法である「円形中空ボイドスラブ」「矩形ハーフボイドスラブ(合成床版)」「逆T型ハーフボイドスラブ(合成床版)」は、 ハーフボイドスラブについては、重量床衝撃音は従来の床スラブより遮音性能が高いという計算・実験データ(スラブ素面でスラブ厚28センチ程度)が 出ている一方で、軽量床衝撃音については共通して中空部の上付近で音の共振が起きるため、500ヘルツ〜1000ヘルツの周波数域で10デシベル程度の 遮音低下が起きると報告されています。
 中空ボイドスラブは、本来は開放的な間取りに合わせて広い床を形成するため、自重負担を軽減するために開発された工法です。

 要するに、新しく開発されたボイドスラブ工法は、既に現時点において、厚さ18〜20センチの一般スラブ(中空部のないタイプ)に比べて、 軽量床衝撃音(スリッパや小さな物体の落下音、家具の移動に伴う摩擦音など)の共振が発生し、同遮音性能の低下が見られるというデータが出ている のです。
 さらに、柱のスパン・梁で囲まれた区画の面積が大きいと床スラブの剛性が弱くなる部分が生じるため、小梁のないボイドスラブでは重量衝撃音に ついても通常スラブに比べて遮音性能が低下する箇所が発生する恐れも考えられます。

 このような状況下では、置き床工法である二重床工法についても、際根太やベースパネル・フローリングが壁面に直に接している状態で施工されると 顕著な遮音低下が懸念されます。また、床下に防振材・吸音材がないと、支持脚を介したピンポイントの床衝撃に伴う空気伝播音、固体伝播音(振動音) が天井スラブ及び柱・壁面を介して伝わり易くなると考えられています。
 このように新旧の問題が混在しているという状況が、騒音問題・防音対策の検討を難しくしていると言えるでしょう。

※当サイトのコンテンツおよびデザイン素材の無断使用はお断りします。
Copyright (C) Supportpage Planning Office. All rights reserved