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天井防音/防音対策の留意点/防音材料の使い方
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当ページは住宅防音体験から見た防音対策と留意点などを紹介する情報サイトです。
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防音関連情報
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■ 天井防音の留意点 ■
防音対策で最も難しいのが「天井防音」と言われています。これは木造住宅、RC造等マンションに限らず、受音側(騒音被害者側)に
おいて、効果的な防音対策を行うことは難易度が高いことを示していると言えます。
しかも、サイト上の情報は様々なものがあり、誤解を招く注意すべき情報もあります。ここでは、陥りやすい落とし穴や問題点を
最近の防音関連サイトの情報などを事例に採り上げてみたいと思います。
*関連リンク:天井防音(工事経験者の声)
※住宅防音の実践(トップページ)
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防音対策関連サイトにおける情報チェック
最近(2006年10月現在)チェックした防音対策専門サイトにおける天井防音対策の主な対策案及び質問者への回答例を採り上げます。
主な対策案及び質問者への回答例は、二重構造の天井の防音対策「主として足音などの固体音」について、相談者への提案及び留意点として
建築士・施工業者・コンサルタントが回答したものです。
1.吸音材は天井の防音には役に立たない。
2.被害者側での対策はない。
3.天井ボードは鉛シートを貼り付けた防音ボードが最も効果がある。
4.グラスウール及びロックウール以外の吸音材を使用すると効果がある。
5.天井スラブコンクリート増し打ちしか対策がない。
以上が主な提案・回答例です。次に提案・回答例ごとに問題点などを検証します。
1.については、吸音材は天井裏における反響音などを抑え・吸収する役割を果たすものであり、防振・遮音材とともに併用して効果を出すものです。
非常に乱暴な回答と言えます。吸音材の活用方法がわからない業者は防音の素人です。
2.については、状況によりますが、どんな状況でも効果を出すことは可能ですが、天井をどの程度さげることができるか、大掛かりになり予算上の
制約で難しいことはあります。
通常の場合は、予算や空間的な制約条件等をクリアすることが出来れば効果的な対策はあるはずです。マンション・アパートなどにおいて、
実際に効果的な防音対策の成功例があります。
3.については、鉛ボードは空気伝播音対策には有効ですが、振動音対策には必ずしも有効ではありません。
防振ゴムに比べて防振性が低く、騒音を反響させるので、弱点箇所からの音漏れが生じやすくなります。固体音に対する制振能力は
期待できません。よって、天井やGL壁には使用しないのが無難です。
4.については、非常に専門的な回答だと思います。
現時点では素材よりも、吸音材を構成する繊維の組み方・密度に左右されると考えられます。
方向性のないランダムな繊維構造で形成された吸音材が最も音を吸い込むと考えられ、すでに自動車メーカーでは通常に使用されています。
ポリエチレン繊維による既製品が開発されています。ちなみに、低音域の騒音にはロックウールが効果的です。
5.については、決してやってはいけない施工です。コンクリート増し打ちによって、積載加重が大きくなり、逆にスラブの制振性が低下する恐れ
があります。
ただし、柱・梁の断面を増強して改造できれば物理的には可能かもしれませんが、全世帯において施工することでなければ無理です。
また、打ち増ししたコンクリートと既存面との密着が不十分な場合は、新たな騒音原因となります。
このように、今まで当たり前のように専門サイトで回答されていた事例を見ると、けっこう危険な落とし穴があることがわかります。
防音対策を検討されているかたは、くれぐれも情報収集にはお気をつけください。
【天井防音・防音室における研究成果と留意点】
2008年以降の基礎研究および天井防音事例をもとに補足します。※基本的に防音業界の対策には、めぼしいものは殆どなく、特に天井裏が
20センチ以下の空間における上階の重量衝撃音対策には、有効なものが公表されていません。
しかしながら、私と一緒に研究を進めている建築士や機械設備騒音の専門家の情報を加え、近年の実績を勘案すると以下のような諸点が明らかに
なりました。
*100Hz以下の低周波(重量衝撃音の過半の周波数帯)については、概ね幅25センチ以下の空気層は空気のバネ振動を起こして共振するだけで
有効ではない。
*既製の防振吊り金具は、経年変化で劣化してメンテナンスが必要になるため、住宅には向かない。低周波対策には不十分である。
*遮音材だけの対策では、重量衝撃音は止めることは出来ない。
*吸音材や制振材などによる多層構造・ダンパーとなる構造を導入しないと防音効果が出ない。
これらの所見をもとにマンションやピアノ防音室などの防音設計に反映させて、実績を増やすことができました。さらなる効果を高めるため、
研究と実践を継続中です。
天井防音関連情報(参考)
下図の二重天井は、下地がコンクリートスラブに直付けになっている事例であり、上階の振動音等固体音をダイレクトに伝播する構造です。
このような天井構造は非常に遮音性能が低く、振動しやすい通常の石膏ボードが共振して固体音の騒音が目立つこととなります。
このような状況を改善するため、下地を吊構造に改修して吸音材及び防振・遮音材を使用して防音対策を行った典型的な事例が次のページです。
*マンション天井防音01:天井・壁防音
*マンション天井防音02:天井・梁防音
*参考:防音の課題・留意点
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