木造ピアノ室

木造の特性と空間構成を尊重する防音設計および木造防音工事

木造防音は木材軸組構造・空間構成を生かした設計仕様および防音材の施工が不可欠です。

木造軸組在来工法およびツーバイ工法の構造的特長、留意点を踏まえた防音構造の工法・仕様を考察し、実例を交えて可能性を追求します。
生活防音や音楽(ピアノ・ヴァイオリン・ギター・金管楽器など)・声楽防音室の計画・施工を検討されている方々の指標になるように配慮しました。

現場の防音工事や防音相談の事例・エピソードを紹介して、実際に木造でも他の建物構造に負けない遮音性能を、同等の厚さで実現できることを示します。

また、各ページの右側には、キーワードや重要事項に関連したコンテンツページ・ブログなどを、参照できるように随時掲載します。 →木造軸組在来工法の防音設計

木造の空間構成を生かした部屋を狭くしないコンパクトな防音設計・工事

木造防音

木造住宅では、薄くて費用対効果の高い防音設計が求められます。

一般的な木造住宅の空間は限られており、分厚い防音構造は現実的ではありません。住まいの空間を必要以上に狭くしないコンパクトな対策・設計が必要です。

遮音・制振・吸音の諸機能を適切に複合化することにより、快適な音環境・生活防音を構築することが理想です。


素材特性と音の周波数・減衰効果を踏まえた防音構造

木材や防音材など素材の透過損失・制振特性、空間における音の減衰効果を考慮した防音設計が重要です。

音の周波数帯に着目した建築材料や防音材の効果、天井裏・壁内・床下の通気層(空気層)における音の減衰や共振回避などに着目した設計・施工が必要です。
力任せに遮音材を多用し、空気層を大きくとる手法では、構造体への過大な負担をかけ、空間を狭くすることになり、費用も嵩みます。

高い周波数の音は、音源からの距離に応じて減衰させることができ、吸音材などの活用で効率的な防音効果を出すことができます。
また、低い周波数の音でも、音源に近い遮音・制振層によって遮音効果を高めることが可能です。

木造の防音設計は、周波数・素材・空気層などの特性を考慮して、効果の高い防音材・工法によって、必要な防音(空気伝播音、固体伝播音の遮断・減衰)性能を確保することが重要です。


建物構造・耐久性を考慮した防音対策

木造軸組在来工法の建物は木材軸組及び下地補強で、ツーバイ工法はパネル面の剛性補強等によって、防音性能や耐久性が強化されます。

木造建物の構造体の共振抑制や剛性補強は、防音効果にプラスになります。

防音効果を阻害する壁・床の共振回避及び抑制は、室内及び建物全体の制振性能をアップさせ、同時に遮音性能を向上させます。それは住宅の生活防音だけでなく、音楽室の音響や防音効果にプラス効果を与えます。
また、建物自体の耐久性を伸ばすことにつながります。壁内・床下の通気機能は木材等構造体の寿命を伸ばします。

木造建物の構造・工法を理解して尊重することが、木造防音設計の前提条件になります。


フレキシブルな音響・防音計画

木造は鉄骨造やコンクリート構造では得難い「柔らかな音響」が得られる柔構造です。木材は良質な音響・防音素材です。間取りやDIY対策によってプラス効果が期待できます。

不必要な軽量鉄骨やコンクリートパネルなどを使用しないで、木材を生かしながら伝統的工法に適合する防音設計・施工を心がけることが肝要です。
木造の長所を伸ばす設計手法・工法が良好な音響・防音性能を実現することが出来るのです。机上の質量則にシフトした手法に惑わされずに、建物構造・間取り及び用途に応じたフレキシブルな防音計画が望まれます。

また、ご予算に応じて、カーペットや防音材(吸音材を含む)をDIYで施工したり、手作りの防振・吸音ツールを活用することで防音工事の負担を軽減できます。同時に段階的な対策を行うことが出来ます。
さらに、床下・壁内だけでなく廊下や収納スペースなどを音の減衰空間として考慮すれば、防音構造を薄く出来ます。


防音設計の特長

防音対策および・施工方針などの概要を整理しています。

参考ページ

防音設計・施工の参考になるコンテンツページです。